O.L.~Maple Honey Syrup~
メールを送っても返事は来ない。



電話を掛けてもコール音だけ…。



如月が居ないだけで、キラキラしている空間は無色に変わる。



愛しさを感じる甘い香りも、心を苦しめるだけ。



まして、チョコレートの香りなんて…。



涙が溢れそうだ。



もう何度目かの電話…。やっぱり出てくれない。



知らないうちに怒らせたのかな?



嫌な事をして急に帰っちゃったのかな…。



『如月…何処に居るの…』



分かっているけど、呟いたって返事は来ない。



もう甘い香りを嗅ぎたくない。



泣き出すのも時間の問題って状態まで堕ちた。



「お待たせ…って!麻里亜どうした?」



泣き出しそうな私を見て慌てて膝まづき視線を合わせた。




『何処に行ってたの?電話もメールもしたのに』
「ごめん」
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