O.L.~Maple Honey Syrup~
『あっ、忘れてた』



相手を見ずに電源を落とす。



金曜日の終業から月曜日まで電源を落としている。



仕事の事は一切考えない。ヘルプがあっても行かない。



どうしてもの時の為に極僅かの人に家電を教えている。



本当に極僅か…。



『これでよしっ!』
「誰か見ないの?」
『この時間に電話した相手が悪い』



金曜日の夜から日曜日まで彼女との時間にしている。



だから会社の連絡は一切スルー。



誰もがプライベートを犠牲にしているって言う。



だが、俺ほどきっちり分けている奴は居ないと思う。



こうして電話の相手を確認せず電源を落とすのだから。



『さて、お風呂に入って寝室へ行きますよ』
「お疲れだもんね」
『フル充電完了してるから』



逃げそうになる愛しの人の腰に腕を回し浴室へ。



『5日分の愛情を注ぎますよ』
「それは勘弁!」
『はい!却下!俺が不足してるから』



仕事で頼られるより愛する人の隣に居る事が幸福を感じる。



「双葉」
『ん?』
「好きだよ」
『おや?お風呂で希望?』



違う!と顔を真っ赤にする彼女が可愛い。



早く帰ってきてよかった。
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