O.L.~Maple Honey Syrup~
~Another SIDE~



「電話切られました」
『だろうな…』



日曜日までの全ての時間を愛しの彼女に捧げるから。



今頃風呂に入って…そんな事を考えたら、俺も俺の愛しの彼女に会いたくなった。



『月曜日まで電話繋がらないぞ』
「そうなんですか?」



アイツはON/OFFのスイッチがハッキリしている。



犠牲にしていると言われるが、アイツ程ドライな奴はいない。



面倒見がよく見えるが、ただ単に面倒事に巻き込まれたくないだけ。



自分と関係ない事には一切手助けしないし、火の粉が降り懸からないならどうでもいい。



あの穏やかな雰囲気でごまかされているだけ。



ただ…彼女の事なら何でも投げ出すだろう。



それだけ惚れている。今日も浮足立っている所で呼び止められた。



いつもなら足を止めて聞くが、今日は歩みを止めてなかった。



彼女からメールでも来たのだろう。



『俺らの事はもう頭の片隅にもないぞ』



彼女と最高の週末を…。
< 52 / 59 >

この作品をシェア

pagetop