O.L.~Maple Honey Syrup~
誰かは見ている

甘さLevel ★★★★☆

『おはようございます』
「おはよう」



先輩方の機嫌がとても悪い。



お目当ての社員を見ることが出来なかったのだろう。



華の受付…でも、私は華も無いのに何故か受付嬢。



化粧だって下手だし、綺麗ではない。商業科出身なので希望は総務部だった。



何がどうなって受付嬢なのだろう。



もう3年目だが、この空間に存在する事が違和感がある。



「素っ気なかったよね」
「うん…。挨拶全く無し」



会えたけど、態度が冷たかった。それでブーイングの嵐なんだ。



ところで…先輩方のご贔屓さんって誰なんだろう?



『はい。受付』
(「おはよう!愛里」)
『っ…』



驚きのあまり声が出なかった。先輩方はさっきの話しで、電話の事は気付いていない。



(「そっと俺の所に来て♪」)



スッと席を立ち、エレベータに乗り込む。



誰も私が受付嬢って気付かない。それはそれで切ない。
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