O.L.~Maple Honey Syrup~
「先ずは…」
『キャッ!』



雅史さんは仕事机の椅子に座り直し、手招きされた。



「やっぱり側に居ると触れていたい」
『雅史さん…』



椅子に座らされる。後ろから抱きしめられ、首元に顔を埋められる。



「ずっと側に居てほしい」
『居るよ』
「24時間365日」



更に強く抱きしめられた。何だか切なさが温もりを通して伝わった。



「何か色々不安なんだ」
『雅史さん』
「好きになればなるほど不安が募る」



耳を澄ましていなければ分からない程の小声で…



「何処にも行かないでくれ」



と言ってくれた。何処にも行かないよと伝えたいのに声が出ない。



だから抱きしめてくれる腕にしがみついた。



「ありがとう」
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