O.L.~Maple Honey Syrup~
「キスしていい?」
『うん』



こんな地味な私を見付けてくれてありがとう。



「やっぱり此処で…」
『雅史さん!』
「空気壊したね」



笑いながら謝る。この笑顔を見せられたら怒れない。



でも、此処では絶対にダメ!



「早く仕事終わらないかな」
『働いて下さい!』
「これじゃぁ拷問だよ」
『働けばいいでしょう』



後ろから抱きしめられている私もそうなんだけど。



「早退って事にして帰っちゃう?」
『ダメです』



口を尖らしている。そんな所も好き。



『終わったら一緒に帰ろう?』
「愛理…何処まで可愛いんだよ」



可愛いなんて言ってくれるの雅史さんだけだよ。



雅史さんだけでいい。



「では、頑張りますか!」
『はい!』



最後にギュッて抱きしめてくれた。
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