もう一度、君と・・・


私の席は、一番後ろの窓側。


この席、すっごく気に入ってる。


だって・・・授業中に、斜め前の彼が見えるから。


彼・・・塚本大翔は、幼稚園のときから、ずっと一緒。


男子の中心的で、女子にも結構人気がある。


多分・・・親しみやすいから。


部活は、サッカー。


そして・・・


「朝倉、この問題分かるか?」


うそ・・・聞いてなかった。


黒板に書いてある数字を見る。


「・・・6・・・」


「正解。さすがだな、学年トップ。」


私は、こうして、聞いていないことを隠し続けている。


「さ・す・が」


一番前の佐織が口パクで言う。


チラッと大翔を見る。


「!」


また、目が合った。


そして、お互いにすぐ目を逸らす。


これが、日常。




< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop