もう一度、君と・・・
私の席は、一番後ろの窓側。
この席、すっごく気に入ってる。
だって・・・授業中に、斜め前の彼が見えるから。
彼・・・塚本大翔は、幼稚園のときから、ずっと一緒。
男子の中心的で、女子にも結構人気がある。
多分・・・親しみやすいから。
部活は、サッカー。
そして・・・
「朝倉、この問題分かるか?」
うそ・・・聞いてなかった。
黒板に書いてある数字を見る。
「・・・6・・・」
「正解。さすがだな、学年トップ。」
私は、こうして、聞いていないことを隠し続けている。
「さ・す・が」
一番前の佐織が口パクで言う。
チラッと大翔を見る。
「!」
また、目が合った。
そして、お互いにすぐ目を逸らす。
これが、日常。