俺の事どう思ってる?!
 ここまで来るのに1年かかった…。



『別に来ないでとは言ってませんから』



 精一杯の愛情表現に、イライラしていたのが和らぎ微笑みに変わる。



 思い返すだけで心が落ち着くのであった。



 自分には振り向かない…弥生はずっとあの時まで思っていた。



『相談役のお兄さん』



 舞奈からも周りからも言われ、本人もそのポジションで仕方がないと思っていたが、感情は押さえるのが大変な所まで抱いていた。




「もう出てきてたんだ…アイツ…」



 舞奈の姿を見つけると直ぐに車を停める。笑顔は一瞬だった…。



 舞奈の隣には、弥生が最大の負の感情を持っている男が腕を掴み笑っている。



 弥生は一気に沸点を越え、爆発寸前の所まで怒りが込み上げた。



「舞奈、遅くなった。ごめん…」
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