俺の事どう思ってる?!
 入学式からこの5人で過ごす事が殆どになった。


 だが、知り合って1年が経ち少しずつ5人の関係にも変化が生じ始めてきつつある。



「あ~…上手くいかねぇ…」
「作品が?それとも舞奈?」



 紫江も治と似た様な所がある。というよりも夢人が、単にからかいやすい人間と言った方が早いかもしれない。



 夢人は内に秘めておけば良かったと、感情を出してしまった事を後悔した。



「どっちもだよ!」



 怒鳴り散らしながら嫌々返事をする。



 予想通りの返事で、笑いが止まらない紫江だったが夢人の一言で凍りついてしまった…。



「紫江こそ、治どうなんだよ?!」



 課題のシャツをミシンで縫っていたが、一瞬で止まった。夢人はニヤリと笑ったが、すぐに引っ込め頭を優しく撫でた。



 下を向いたまま動かない紫江。



 さっきまで夢人をからかっていた笑顔がすっかり消え、瞳には涙が溜まって決壊寸前だった。



「お互い大変だねぇ~、まぁ諦めずに頑張りましょうや」



 小さく頷く紫江にもう1度頭を撫でた。夢人自身を頑張らせる為の言葉でもあった。
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