泡の人
1.変な人
夜の散歩道、学校のプールを差しかかった辺り。
何か大きなものが落ちる豪快な音。
不法侵入と分かりつつも、必死にフェンスをよじ登った。
そこで見たのはプカプカと漂う人。まさか自殺をしようとした?
気付いたら助けようと夢中になって、飛び込んだ。
「バーカ」
その人の傍まで辿り着いた時に聞こえた低音の声。
もう漂う事はなく、僕と同じように立っていた。
電灯は切れかかっているのか、チカチカと瞬きをする。
だから顔まで判別出来ない。分かるのは、性別だけ。
文句を言おうとしたけれど、別の水音によってそれは消えた。
飛び込むような音ではないから、きっと上がろうとしているのだろう。
引き止めようとしたけれど、引き止めても何を話せば良いか分からない。
文句を言おうとしても、直後よりも怒りはない。
だからそのまま僕もプールから上がった。
何か大きなものが落ちる豪快な音。
不法侵入と分かりつつも、必死にフェンスをよじ登った。
そこで見たのはプカプカと漂う人。まさか自殺をしようとした?
気付いたら助けようと夢中になって、飛び込んだ。
「バーカ」
その人の傍まで辿り着いた時に聞こえた低音の声。
もう漂う事はなく、僕と同じように立っていた。
電灯は切れかかっているのか、チカチカと瞬きをする。
だから顔まで判別出来ない。分かるのは、性別だけ。
文句を言おうとしたけれど、別の水音によってそれは消えた。
飛び込むような音ではないから、きっと上がろうとしているのだろう。
引き止めようとしたけれど、引き止めても何を話せば良いか分からない。
文句を言おうとしても、直後よりも怒りはない。
だからそのまま僕もプールから上がった。