泡の人
こうして人間になってみれば、世界はまるで違っていた。

ある日に大きな水溜り…プールを見付けて、試しにあの男の日課であった事をやってみた。

水の冷たさがとても心地良い。あの男もそう思ったのだろうか?

“こうしている時が、1番生きている事を実感するなあ…”

きっと水の冷たさを感じてそう言っていたのだと思う。

感覚が麻痺していたり死んでいない限り、人はそれの暖かさや冷たさを知るから。

だけどそれは人間になった今、分かる事。当時泡だった俺には理解は出来なかった。

人間って凄い。後は早くあの男を見付けないといけないな。
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