未定

振り返る、最初の調べ

ニ年振りに見る日本の空は、青くて広くて包みこまれるような錯覚に陥る程だった。


前髪を羽ばたかせ歩く懐かしい道は、あの時の記憶を思い出させるには充分で、少し胸が痛くなった。


カツカツと響くローヒールの音と、ゴロゴロと続くキャリーケースの音とが交ざり合った規則的なリズムが道いっぱいに響いていた。