【完】1mの距離
翌朝。


 いつもなら、とっくに玄関チャイムがなっている時間なのに、まだ健は来てない。


 さすがに出ないと、遅刻してもダメだし学校に向かうことにした。


 外に出ると、前を歩く見慣れた後ろ姿。


 健と…里奈だ。


 そうだ。2人、付き合い始めたんだっけ?


 昨日、里奈が言ってた。


 傷も一晩寝たら、だいぶマシになったし、邪魔しても悪いから、1人で学校に行くことにした。


 学校に1人で行くの、初めてだなぁ。


 健はほとんど学校を休んだこと無かったし、私が遅くても、待っていてくれてたから。


 これから、1人で登校するのかなぁ。


 健と里奈の後ろ姿を眺めながら、思った。
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