【完】1mの距離
 「ううん、ホンマやで。ちょうど、お父さんの転勤で大阪戻ることになっててん。やから、美佳がどう、って話やないよ。」


 「そ、う、なんだ…。


 そんな、急に言われても…。」


 「そんなに、急な話でもないねんで?高校入学前くらいから、そんな話あってん。でも、やっぱ、こっちに居りたくてワガママ言っててんけど…。


 こんなこと起こすくらいやったら、ちゃんとあん時、帰っとけば良かったのにな。ゴメンな。


 みんなと出会えて、ホンマ感謝してる。じゃあね、美佳も、健も、朱莉も、弘人も。もう今日で学校来るの、最後やから。」


 愛は再び、背中を向けて歩き出す。


 今度は、なぜか引き止めることができなかった…。

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