恋愛指導は秘密のくちづけで
「また秘密が1つ増えたか」


黄色い女子生徒の声の集団が近づいてくる。


紺色のカバンを持って昇降口の方向へ進んでいる。


急いでスカートのポケットにてのひらにあったものをつっこむ。


こちらに気づき、全員会釈をしてくれた。


「さて、進路指導室に戻ろうか」


わたしは黙って先生の後ろについて廊下を歩く。


高校の窓からはキラキラとした未来の風がたえまなく吹き込んでいるような気がした。
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