恋愛指導は秘密のくちづけで
席を立ち、タイムカードを押す。


「柏葉さん、お疲れ様です」


背後から万里くんの声がした。


「お疲れ様」


後ろを振り返り、営業スマイルで返した。


「柏葉さん、話があるんですけど」


「ツッキーが万里くんから話があるって聞いてたけどそれかなあ」


わざとすぎる言い方に自分でもバカらしいなと思った。


「まあそうなんですけど、時間ありますか?」


「もうわたし帰らなくちゃいけないし」
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