恋愛指導は秘密のくちづけで
万里くんは下唇をかみしめた。


「わかりました。今から行きます」


万里くんは受付に向かい、女子生徒へ話しかけた。


「柏葉さん、大丈夫?」


山崎さんは不思議そうな顔を浮かべている。


「あ、大丈夫ですけど……」


「顔、青ざめてたからさ、どうしちゃったのかと思って」


「あんまり寝てないからかもしれません。すみません、今日はこれで」


「お疲れ様ね」


山崎さんはホッとした顔に戻り、自分の席に戻っていった。
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