恋愛指導は秘密のくちづけで
あれから一週間たったけれど、こちらからも塚越先生からも連絡をしないまま過ぎていった。


浪人生の二者面接もそれなりに終了した。


月末に行なう新年度初の模擬試験の準備が本格的に始まる。


受験票の束が入った段ボールが次々と本社からこの塾に届けられてきた。


今日は浪人生クラスの受験票だ。


「作業机に受験票置いてあるから、よろしくね」


佐伯さんはお茶を飲み、少しおちついてから、指示をした。


時計を見る。16時。


そろそろ学生アルバイトの子たちが出勤してくるころだ。
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