恋愛指導は秘密のくちづけで
何も感じない。体の奥から何も沸かない。


「先生、ちょっと、放して」


必死に先生の中でもがき、ようやく腕をゆるめてくれた。


「……先生、奥さんは」


「ん……ああ」


「ごはん、ごちそうさまでした。失礼します」


「ちょっと、柏葉」


街灯に照らされた塚越先生は背が高いのに昔よりも小さく見えた。
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