恋愛指導は秘密のくちづけで
「誤解させちゃったね。ごめんね」


正直めんどくさくなったので営業スマイルで返してあげた。


「気を付けるから」


黒髪のマユコさんとショートカットのユイは二人ともわたしをにらんでいた。


「特別な感情はないから。これでいいかな」


ユイがわたしのほうに食ってかかろうとしているところを、マユコは制服の裾をひっぱっておさえていた。


「もういいよ、行こう」


マユコとユイはエレベータのボタンを押し、扉が開いて中に入る瞬間、マユコはこれだから色目使ったババアは嫌いなんだよな、と捨てるように言い、エレベータの中に消えていった。
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