恋愛指導は秘密のくちづけで
「お疲れ様です」


万里くんは穏やかな声で話しかけてきた。


「お疲れ様。飲み会の件はなかったことにしてくれないかな」


「え、どういうことですか」


「いろいろとあるのよ。ごめんね」


「ちょっと、柏葉さん」


「万里、もういいだろう。柏葉さん、顔色悪いですけど」


「ツッキーありがとね。今日はこの辺で」


万里くんは口元をへの字にしながらわたしを見つめていたけれど、何も答えず更衣室へ向かった。
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