恋愛指導は秘密のくちづけで
【気を取り直して落ち着いたら飲みにいきましょう!】


そんな一文だった。いいたいことはたくさんあったんだろう。


この一文に万里くんの気持ちが込められている気がした。


塚越先生の連絡先を削除して、自宅に近づく前に万里くんにメールをかえした。


【そうね。飲みにいきたいね。万里くんの言っていた秘密を教えてもらうために】


なんの変哲もない一文を返した。


もう少し気の効いた文章でも送りたかったけれど、送ろうとしたときには自宅前に到着していた。
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