恋愛指導は秘密のくちづけで
「終わったことだって? 勝手だな」


穏やかな顔はみるみるうちにひきつった顔に変化した。


「こっちはどういう気持ちでお前に会いに来たか、わからないのか」


「あの冬の教室で終わったってことですよ。それじゃ、仕事に戻りますから」


「ちょっと待て。まだ話の続きがある」


後ろを振り向かず、エレベーターホールに向かおうとした。


すると、ぐいっと力まかせに左腕をつかまれた。
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