恋愛指導は秘密のくちづけで
「ホント、万里くんは若くていいね」


「ひょっとしてまだ怒ってます?」


「怒ってないけど、若さに嫉妬してるだけ」


「年齢なんて関係ないですって。自分だって歳とるわけですし」


「わたしが万里くんぐらいのとき、万里くんみたいにしっかりした学生じゃなかったし。

今その頃に戻ったとしても変わらないんだろうな。だって……」


「まあまあ、今日は同じお酒を飲んでるんですから楽しみましょうよ」


そういって万里くんは飲みかけのグラスをわたしに手渡した。
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