恋愛指導は秘密のくちづけで
「……まるで、柏葉さんみたいですね」


「わたし?」


万里くんの眼が険しくなった。


「オレ、知ってるんですよ」


「何?」


急に砂利の地面からせり上がる冷気かわたしの足もとをなでまわし、少しずつ皮膚を通過して体の中に浸入していくようだった。
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