恋愛指導は秘密のくちづけで
「柏葉さんの秘密」


そういうと万里くんの口角があがった。


「秘密? 秘密なんてないけど」


「秘密ってほどでもないけれど、いずれバレますけどね」


そういって万里くんは桜を見上げる。


「変な、万里くん」


「桜がそうしてるっていう言い訳にしてください」


街灯に照らされた万里くんのくちびるは手入れをしているのかつやつやしていた。
< 86 / 263 >

この作品をシェア

pagetop