恋愛指導は秘密のくちづけで
万里くんと駅前で別れた。


万里くんは駅のコンコースに消え、わたしはバスターミナルへ向かう。


バスを待つ間、バッグの中に入ったままのメガネケースを手にとった。


わたしの乗るバス停にはお酒のニオイを放ったサラリーマンや肩を落としながら耳にはイヤホンをして音楽に逃げているOL、制服を着崩してあくびをしながらスマホをいじる男子学生がベンチに腰かけていた。
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