唄を
街の人々
唄歌いが来た街は、車がビュービュー飛び交い、人々が毎日忙しく暮らしている街だった。

唄歌いは街の広場の真ん中で唄を歌った。

始めは小さな声で、その唄はどんどん大きくなっていった。

人々は始めは目もくれなかった。

唄歌いの声が大きくなるにつれ、唄歌いの周りに人が集まってきた。

やがて、街の人々全員が唄歌いの唄に聴きいった。

街の人々は大切な事を忘れていることに気が付いた。
唄歌いの唄が終わると街の長がこう言った。

「ずっとここにいてください。この街にはあなたが必要です。」


すると唄歌いはこう言った。


< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop