聴かせて、天辺の青
午後4時ごろ、道の駅での仕事を終えておばちゃんの家へと向かう。
もうすぐ発電所で働いていた三人が帰ってくるから、これから晩御飯の準備の手伝いをしなければ。
自転車を漕ぎながら、なんとなく彼のことが気になった。
あれから、部屋でおとなしくしているのだろうか。変な気を起こしたりしていないだろうか。
やはり心配だったから。
あんな言い方されたけど、本当に命に関わる問題を起こされたら困る。
「ただいまぁ」
「瑞香ちゃん、おかえり」
既に台所では、おばちゃんが忙しく食事の仕度を始めている。
何となく聞きづらいと思ったけど、聞いておかなくては。私が連れてきてしまった客なのだから責任はあるのだし。
「彼は? あれから、ずっと部屋に籠ってるの?」
「うん、まだ寝てるんじゃないかしら。お昼ご飯はどうするのか聞きに行ったら要らないって、少し眠りたいって言うから布団を敷いてあげたの、それからずっと寝てるみたいよ」
おばちゃんは手を止めて、振り向いた。僅かだけど、顔に不安が現れている。
そんなおばちゃんの顔を見たら、私まで不安になってくる。