聴かせて、天辺の青

月日の流れなんて早いもの。
いつの間にか風の強さとともに、冷たさが痛いと感じられるようになっていた。
自転車を漕ぐ私の頬に冷たいものが当たる。空を見上げると、ちらちらと雪が舞い降りてくる。



もうすぐクリスマス。
今年は雪が積もるといいけれど……



なんて考えながら目的地の隣町のファミレスに到着。エントランスで存在感を放つクリスマスツリーを横目で見ながら店内に入った。
店内を見回す間もなく、私に向かって手を振る麻美が目に留まる。



「瑞香、久しぶり」

「連絡くれてありがとう、最近休みが取りにくくてごめんね」



麻美と会うのは約二ヶ月ぶり。



疑惑が晴れた時に携帯電話帯電話の番号を交換してから、既に何度か会って食事に出かけてる。高校の時は特別に仲良しではなかったけど、話しているうちに意外と気が合うことがわかった。さらには音楽の趣味も似ているということも。



今日も行きつけになっているファミレスで、昼食を摂りながら夕方まで話し込むつもり。というよりも麻美からの呼び出しだったから、何か報告したいことがあるんじゃないかと気になってる。




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