キミじゃなきゃ。




どれくらい時間が経ったんだろう。


ソファーに座ってぼーっとしているとポケットで携帯が震えた。


画面に浮かぶ名前に心臓がとくんと動く。


「もしもし、隼人?」


《―…あ、花梨ちゃん?俺、設楽です。覚えてる?》


「えっと…」


設楽さん、


たしか前に会ったことがあった気がする。


「隼人の…お友達…ですよね?」


《おー!そうそう!久しぶりー!》


「お久しぶりです。」


なんで設楽さんが隼人の携帯で電話…?


《あ、今さ隼人、隣で酔っ払ってて。花梨ちゃんめっちゃ呼んでるんだけど…》


耳をすませてみると“花梨〜っ花梨おらんの〜?花梨〜っ!”という声が聞こえてきた。


「…相当酔ってますね。」


《……そうなんだよ。》


明らかに困ってる様子の設楽さん。




< 15 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop