キミじゃなきゃ。
どれくらい時間が経ったんだろう。
ソファーに座ってぼーっとしているとポケットで携帯が震えた。
画面に浮かぶ名前に心臓がとくんと動く。
「もしもし、隼人?」
《―…あ、花梨ちゃん?俺、設楽です。覚えてる?》
「えっと…」
設楽さん、
たしか前に会ったことがあった気がする。
「隼人の…お友達…ですよね?」
《おー!そうそう!久しぶりー!》
「お久しぶりです。」
なんで設楽さんが隼人の携帯で電話…?
《あ、今さ隼人、隣で酔っ払ってて。花梨ちゃんめっちゃ呼んでるんだけど…》
耳をすませてみると“花梨〜っ花梨おらんの〜?花梨〜っ!”という声が聞こえてきた。
「…相当酔ってますね。」
《……そうなんだよ。》
明らかに困ってる様子の設楽さん。