キミじゃなきゃ。
正直、会ってからのことは全然覚えてない。
気付いたらレストランを出て花梨を家に送っていた。
覚えてるのは…
花梨が変わらず可愛かったってことぐらいやろうか?
「本当にいいの?」
何かをものすごく気にしている花梨。
『何がやねん。』
「夕飯代。やっぱ割り勘に…」
何かと思えば。
そんなことか。
『俺がええって言ってるんやからええんとちゃう?つか黙っておごられろや!』
「いてっ、」
夕飯くらいおごれるわ!
そんな気持ちを込めてデコピンする。
「…ありがと。」
「……おん。」
なんとなく恥ずかしくなって俺は花梨を見ずに笑った。