キミじゃなきゃ。
―ブーッブーッ
耳元で鳴る携帯に目を開ける。
いつの間にか寝ていたらしい。
「誰だろう…」
表示されたのは11桁の知らない電話番号。
もしも仕事の連絡とかだったら大変なので出ることにした。
「……もしもし。」
控えめに、様子を伺うように出る。
『―…あー、俺やねんけど。』
携帯から聞こえてくる声に胸がざわついた。
名前を聞かなくてもわかる。
ずっとずっと忘れられなかった─
「…隼人……?」
愛しい人の声。