それでも、わたしじゃだめですか?



聞きたいことが沢山あるけど

桐哉君が起きてからでいいや



顔をそっと触れてみる




グッ…

「!」




「なにしてんの…成優」



起きてた?!



捕まれた手が熱くなるのが自分でも分かる




「あ、えっとこれは…」



「これは?」




「その…手、話して……」



「なんで来たの?その理由言わない限り

離さないよ?」



っつ…

こんなときにまで不覚にもかっこいいと

思ってしまう





「桐哉君が…本当のこと言わないから」



「本当のこと?」


私の手を握る桐哉君の手が一瞬ゆるむ



そのすきに私は手を振りほどく




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