それでも、わたしじゃだめですか?
「母さんが毎日部屋の前に
朝ごはんとか置いてって、
一緒にゼリーとか添えてあるから
たまにそれを食べてた」
「それだけ?」
そう聞くと桐哉は黙ってコクンと頷く。
なんだかちっちゃい子みたいで可愛い。
「だからそんなに痩せちゃったんだよ…
ほら、食べよ?」
お粥が入った器を桐哉の方に向けると
桐哉はそれを頑なに拒否する
…結構頑固かも。
でも、
頑固なら私も負けない。
それから何分か沈黙が続く。
…なんか言わなきゃ。
このままだとずっと変化がない気がする。
「…決めた。」
「?」
「私桐哉がご飯食べるまで毎日来る。」
「…は?」
今まで力なく喋っていた桐哉の声が
少しだけ大きくなる。