それでも、わたしじゃだめですか?


「だって桐哉死んじゃう。

このままだと皆と一緒に進級出来ないもん」



「死なねーよ。

あ、でも…」




桐哉の言葉が一瞬つまる。





「…でも?」






「…でも」






「死んでもい…




「!」





桐……哉…?







「…ごめん、うそうそ冗談!」







桐哉、どうしたの?



死にたいなんて思うほどの辛いことが

あっちであったの?



なんで話してくれないの?



私には話せないことなの?




…そうだ。





桐哉は昔から自分のことを

自分から話すような子じゃなかった。




「…なあ成優悪かったって…」





いつも自分のことは、

溜め込むんだ…





だから、だからなのかな


いつのまにか自分の本当の気持ちを

素直に表すのが、桐哉は苦手に

なっちゃったのかもしれないね




< 37 / 56 >

この作品をシェア

pagetop