天使な悪魔
Encounter
引っ越して2年になる下町…―
近所の図書館への通り道が大好きだった。商店街を眺めるのは楽しい。
昔ながらの懐かしい雰囲気は心を何時も穏やかしてくれる。
中でもケーキ屋の隣の誰も居ない廃墟の様な古びた白い建物は何故か不思議と惹かれる。
昔、ここにどんな人が住んでたんだろう…?
疑問には思っていたけど、敢えて足を踏み入れる事も、誰かに詳しく聞いてみる勇気なんて到底なかった。
蔦に覆われた塀の向こう側―・・・。
何時もなら眺めて通り過ぎるだけなのに何だか今日は好奇心をそそられる。
「少し位なら、大丈夫だよ・・・ね?」
そっと攀じ登ってみると広い庭が目に入った。手入れは施されていないみたいだし、誰かが住んでいる気配も無い。
(やっぱり、誰も住んでないのかな。)
近くの木陰に目を移すと、男の子が寝転がっていた。
緩く編んだ銀の髪は一つに束ねられ、長い前髪に片眼が隠れている。
(綺麗な人…ハーフみたい。)
長い睫毛,整った鼻筋。
(ここに住んでる人なのかな?)
見付かってしまっては大変とばかりに、急いで降りようとした時、―…
カチャッ・・・
下に何かが落ちた。
「しまった・・・。」
髪留めを落としてしまったのだ。しかも寄りによって男の子の手元の辺りに。
(どうしよう…取って貰うしかないよね…。)
「すみません!あのー・・・」
恐る恐る呼んでみるけど、相当熟睡しているのか男の子は目を覚まさない。
近所の図書館への通り道が大好きだった。商店街を眺めるのは楽しい。
昔ながらの懐かしい雰囲気は心を何時も穏やかしてくれる。
中でもケーキ屋の隣の誰も居ない廃墟の様な古びた白い建物は何故か不思議と惹かれる。
昔、ここにどんな人が住んでたんだろう…?
疑問には思っていたけど、敢えて足を踏み入れる事も、誰かに詳しく聞いてみる勇気なんて到底なかった。
蔦に覆われた塀の向こう側―・・・。
何時もなら眺めて通り過ぎるだけなのに何だか今日は好奇心をそそられる。
「少し位なら、大丈夫だよ・・・ね?」
そっと攀じ登ってみると広い庭が目に入った。手入れは施されていないみたいだし、誰かが住んでいる気配も無い。
(やっぱり、誰も住んでないのかな。)
近くの木陰に目を移すと、男の子が寝転がっていた。
緩く編んだ銀の髪は一つに束ねられ、長い前髪に片眼が隠れている。
(綺麗な人…ハーフみたい。)
長い睫毛,整った鼻筋。
(ここに住んでる人なのかな?)
見付かってしまっては大変とばかりに、急いで降りようとした時、―…
カチャッ・・・
下に何かが落ちた。
「しまった・・・。」
髪留めを落としてしまったのだ。しかも寄りによって男の子の手元の辺りに。
(どうしよう…取って貰うしかないよね…。)
「すみません!あのー・・・」
恐る恐る呼んでみるけど、相当熟睡しているのか男の子は目を覚まさない。