天使な悪魔
「私はちょうど××に引越して二年になるんですけど、地元なんですか?」


「うん。僕は住んでもう少し長いけど。」


やっぱり最寄り駅一緒だったんだ。最初は憂鬱だったけど…


「安心しました。泪さんが良い人そうで。」


「…そんなこと無いよ。」


あの侭もし会ってなければ、泪さんのこと、冷たい人だって誤解した侭だったんだろうな。


「ずっと気になってたんです。あの白い建物に誰か住んでるのかなって。」


「誰も居ないよ。あんな寂れた場所に興味持つなんて珍しいね。」


誰も住んでないこと、よく知ってるな…。私よりもあの近辺に長く住んでるからかな?


「じゃあ、泪さんも珍しい内の一人ですね。家じゃないなら尚更。」


「珍しい内の一人…か。それは言えてるかもしれないね。」


灰色の眼は何処か遠くを見ている様だった。
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