天使な悪魔
「なーんだ、結局来てくれたんだぁー!」


店に着くなり、百合が私に抱きついて来た。頬を真っ赤にし、もう出来上がってしまっている。


「誰かさんが強制するからでしょ。」


「あははっ。七瀬大好きー。今日ね、新入りさんが何人か居るみたいなんだけど、その1人が超イケメンでさぁ、マジタイプなんだよねー、後で七瀬も見てみなよ。」


「そんなに?カッコ良いの?」


あまり興味ないけどね・・・。私の中で一番カッコ良かったのはやっぱり鶫さんだったし・・・あー、また思い出しちゃった。よし、来ちゃったからにはとことん飲もう。イベントデ―だからお得なメニューもいっぱいあるんだよね。


「ほらっ・・・今出てきた店員さんが例のイケメン!七瀬も早く見て!」


百合が囁き声で肩を叩いて来た。周辺の女の子達の目が一点に注がれた先には



黒いスーツを着こなし、銀の長髪を一つに束ねている店員さんの姿が・・・


(え・・・銀、髪・・・?)


泪さん!!!!!?



私は思わず顔を背けた。


(何で泪さんがここに・・・!?)


「ね、カッコ良いでしょー!?」


幸い泪さんは私に気付いていない様子だった。





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