天使な悪魔
勝手に入るのも失礼だし・・・。私はもう一度、彼を起こそうと試みた。


「すみません!髪留め落としちゃったんですけど、取って貰えませんか!?」


更に身を乗り出して大声で叫んだ瞬間、





ズルッ…




手を滑らせ、




ドン!!!!!



思い切り落下してしまった。



「痛ったぁ…。」


起き上がると男の子がこちらを睨んでいる。


「ごめんなさいっ…」


「そんな格好で何か用?」


上に重なり、まるで押し倒す様な格好で落ちてしまったのだ。男の子は見るからに不機嫌そうな様子。恥ずかしさと申し訳無さが更に込み上げて来る。


「すみません・・・その…リボン落としちゃって・・・」


「だから勝手に入ったの?」


やっぱり完全に怒ってる。


「起こそうとして大声出したら落ちちゃって・・・」


「別にどうでも良いし。用が済んだらさっさと消えて。目障りなんだよ、ブス。」


「なっ・・・・・・!」


(失礼な!何なの、この人!早い所、髪留め拾って帰ろう。)


落ちたリボンに視線を移すと、彼の手の下で真っ二つに割れてしまっていた。さっき落ちてしまった衝撃でだろうか。


「……。」


男の子は無言になる。


「勝手に入ってどうもすみませんでした。」


私は直ぐにその場を去った。

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