天使な悪魔
「先ずはお前から片付けてやるよ―…」


黒い羽を大きく広げると彼の周りに紅い光が飛び交って行く。


「おいおい、女の子なんだから少しは手加減してやれよ。」


彼の仲間の声がする。


(どうしよう……)


私は後退りする。




「止めろ!」




泪さんが彼の前に歩み寄り、片手で私をガードする。



「人間庇うなんて落ちぶれたねぇ。」



黒い羽の男の子は声をあげて笑った。



「邪魔しないでくれるかな?何もしてないのに危害加えたのはこの虫けらちゃんなんだから。」


男の子が手を翳すと紅い炎が浮かび上がった。


「危害加えられそうになった分を君にも味わって貰う。」


炎がこっち目掛けて物凄い速さで飛んで来る。




ガタンッ!




何かが覆い被さると同時に私の身体は転がって行く。見上げると、泪さんが私を包み込んでいた。床は炎で焼け焦げている。



泪さんは立ち上がった。




やっぱりそうだ・・・


私は確信した。




あの男の子たちは「妖魔」なんだ。


明らかに日本人離れした、違う・・・人間離れした外見。


そして、恐らく泪さんも――
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