天使な悪魔
「随分臆病だねぇ。」


「おい、乃亜良い所で止めとけよ。死んじまうぞ。」


仲間が半笑いで止めに入る。


「こんなんで死ぬ馬鹿は魔界には居ない。あ、でもコイツはもう部外者か。さぁて、そろそろ本気目で行こうかな?」



再び紅色の炎が灯され、泪さんに向けられる。




私じゃ、助けることは出来ないのかな・・・


信じたくなんかないけど、この人達、本当に妖魔なんだ・・・



「お調子者にお仕置きだよ。」



炎は輝きを増して行く。


近くに凶器は無いかと見渡してみるけど、ナイフは遠くへ投げ捨てられてしまったし・・・力ずくで阻止するしかないのかな。


また、止められてしまうけど、泪さんが殺されてしまう・・・






その時だった――




視界に紫の光が広がった。




何だか、眠い―――


全身の力が抜ける・・・






私は次第に瞼が重くなるのを感じていた。











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