天使な悪魔
「運が悪かったね。私に会うなんて。」



首筋から寒気が襲ってくる。


身体中の自由を奪われるどころか、寒さで感覚が薄れ、目の前がぼやけていく。



「未だ喋れるうちに聞きたいことがあるの・・・。」


「冷たいっ・・・!」



小桃ちゃんの高笑いが木霊する。



「冷たい?氷が?それとも私が?」


「小桃・・・ちゃ・・・・」



何も見えない。聞こえるのは小桃ちゃんの声だけ。



「ねぇ、七瀬ちゃんってさぁ。鶫のこと、好きなんだよね?」



鶫さん・・・?何で今鶫さんの話が出るの?





「七瀬ちゃん!ここに居るの?」





扉を叩く音がする。


誰かが私の名前を呼んでいる――?




パリン・・・・・!





氷の割れる音で現実に引き戻され、私は後ろに倒れ込む。


「痛ぁっ・・・」


「おのれ・・・結界を破るとは…!」
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