俺が彼女を抱けない理由
第6章 age,23
=10月28日=
三浦の二回忌のこの日、俺たちは久しぶりに集まった。
「結城くん?」
「夕実ちゃん!」
「あ〜久しぶりだねぇ」
「夕実ちゃん、またキレイになったな」
「またまたぁ。。笑」
いや。。本当にその辺のモデルに負けないくらいキレイだった。
そりゃ瞬、振られるな。。
そう納得してる俺の横から瞬が気まずそうに夕実ちゃんに近づく。
「久しぶり~」
「相変わらず遊んでるんでしょ〜」
余裕たっぷりの夕実ちゃんが完全勝利って感じだった。
「あっ沙希!久しぶり」
「夕実〜元気してたぁ?」
二人の会話を俺は少し後ろで聞く。そして俺は頭をいきなり後ろから勢いよく殴れた。
沙希。。
「拓〜元気?」
「元気だよ」
「なんか愛想悪い!!」
悪くないって。。。これが俺の精一杯だった。
自分でもどんな顔をしているのか分からない。
「彼氏とはどう?」
「ん〜普通」
その言葉がどれだけまた俺の心を揺さぶるかお前知らないだろ?
その後も沙希は俺の顔を見上げて子供のような声で話しかける。
「拓は彼女できたぁ?」
「なんか今は遊びたいかな」
何言ってんの?俺。
「それもいいんじゃない?拓モテるだろうし」
・・・最悪
「彼女できたらダブルデートしようね。笑」
その一言で俺はとどめを刺された。