俺が彼女を抱けない理由
「今年のライブは結構豪華メンバーだね」


俺とマナさんはセットリストを見ながら人がたくさん集まることを確信した。



アイツら呼んだら喜ぶだろうな。

俺は誕生日のお礼もかねてみんなを招待することにした。




それからの俺達はモデル事務所との打ち合わせや舞台装置の確認、チケットの販売で忙しい日々を送っていた。




ミスのないようにマナさんと一つずつ確認していく。





「拓ちゃん。もう遅いから今日はここまでにしよっか?」


「はい」


時間はすでに23時をすぎていた。

さすがに疲れた俺は部屋に戻ってソファに座りビールを一気に飲み干す。



そして自称、拓を思う仲間達全員にメールを一斉送信した。





【X'masにうちの会社がイベントするんだけどこない?有名人いっぱい来るし】





【絶対行く!】


こういう時のメールの返信はびっくりするくらい早い。




俺は楽しむ暇なんてないんだろうけどみんなが楽しんでくれたらいいと思っていた。


もう街はX'mas一色。




当日仕事だと分かってる俺の心もなぜかソワソワしていた。



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