俺が彼女を抱けない理由



「じゃあね。。またいつでもきてね〜」

そういう夕実ちゃんに手を振って俺はそいつを助手席に乗せた。


外が暗くてよかった。



誰かに見られたらこれは完全に変態だよ。




「拓〜似合ってるよぉ〜」


「ありがと」



みんなに冷やかされながらエンジンをかけてうちへと帰った。







「拓〜ケーキは?」




「あ〜後で」


毎年毎年、親父達は同じケーキを用意してくれていた。




「祐介からも何か届いてたぞ」


「はいはい」


兄貴はあれからあっという間に人気俳優になって家にもほとんど帰らなくなっていた。



親父は今だけだって言うけど俺はそんな風には思わない。



俺の部屋には兄貴が出ている映画や舞台のDVDがどんどん増えていく。



でもみんなにはまだその事を言ってなかった。





まじでこれどうするわけ?


26の男にクマのぬいぐるみはないよな。



嫌がらせ?


今までの数多くの感動するプレゼントは何だったんだろ。。

アイツら今年手抜きやがったな。


そいつをソファに座らせて見る。



今俺に一番必要なものか。



なるほどねぇ。。


< 131 / 281 >

この作品をシェア

pagetop