俺が彼女を抱けない理由
「さっ作ろ〜っと」
そういって葵ちゃんは袋から買ってきた材料を取り出す。
俺何言ってんだろ。。。
明るく振舞ってるけどきっと気にしてるよな?
「拓ちゃんは座って待っててね」
「う、うん」
俺は落ち着きなく部屋をキョロキョロ見回す。
写真たてを手に取るとそれはあの海でとった写真だった。
瞬の隣には夕実ちゃん、俺の隣には沙希。
そしてその後ろに葵ちゃん。
葵ちゃんは笑ってなかった。
俺。。。
同じ写真持ってるのに全然気づかなかった。
「拓ちゃん、もうすぐ出来るからね〜」
その声に慌てて写真を元の位置に戻す。
「なんかいい匂いしてきたな」
「でしょ〜」
笑顔で料理してる葵ちゃんを見て胸が苦しくなる。
「はぁ〜いできたよ」
「これって。。。」
『パエリア!!』
こんなの反則だろ?
「拓ちゃん?」
「。。。。」
「ね〜拓ちゃん」