俺が彼女を抱けない理由


「絶対行くっ!」



葵は行く前からテンションが高くて見てるこっちも楽しくなる。


「何か持っていった方がいいんじゃない?」


「あーなんか祐ちゃんのマネージャーさんが全部揃えてくれるとか言ってたよ」



「えーそんなの悪いって。アタシ適当に買っておくよ」



このはしゃぎ方は何?遊園地に行く前の子供でも葵より冷静だと思った。


「俺その日なるべく早く仕事切り上げて迎えにいくから家で大人しく待っとくこと!」


「はいは〜い」


そんな葵の態度を見ていると素直に可愛いと思う。


葵に対して相当な過保護になってきてるな。。俺

俺は金曜に向けてできる仕事は全て前倒しに片づけていった。


「拓ちゃん、なんか最近楽しそうにしてるね」


マナさんが俺の顔を覗き込む。この人には毎回俺の心の変化に気づかれてるような気がする。

「そんな事ないですよ」


平静を装ってもマナさんは何もかもお見通しみたいな顔で席に戻っていった。
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