俺が彼女を抱けない理由


『葵〜もう少しで迎えに行けるから』


『わかったぁ〜こっちも準備できてるよ』



『じゃあ着いたら電話する』


『はいは〜い』


俺がマンションが見える所までくるとたくさんの荷物を持って葵が立っているのが見えた。


嬉しそうに大きくこっちに手を振る葵の前で俺は車を停める。





「電話するって言ったのに。笑」


「そうなんだけどぉ〜なんか待ちきれなくて」


「っで何その荷物?」


「何買ったらいいか分かんなくてとりあえずみんなが好きそうなお菓子とか?笑」


「そっか。笑」


葵を助手席に乗せて祐ちゃんがくれた分かりにくい地図を手に車を発車させた。

隣の葵は鼻歌を歌いながら窓の外を見ている。


「ねぇねぇ他には誰が来るの〜?」


「祐ちゃんと沙希だろ?あと楓くん知ってる?」




「あ〜沙希の話によく出てくるから。あの〜高井さんの幼馴染?だっけ?」



「そうそう。」


「なんか楽しみだね。なんで沙希にアタシ達が行くこと内緒なの?」


「祐ちゃんなりの沙希へのサプライズなんじゃないの?笑」


「そっかそっか。笑」
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