俺が彼女を抱けない理由
・・・俺、あの人がどんな男と付き合おうが俺には関係ないし、それで幸せならそれでいいと思ってた。



でも。。。俺が合宿から帰ってきた日。。。」










その次の言葉が出てこない。

ただあの時の二人の姿とそれを見て立ち尽くす俺の姿だけがフラッシュバックする。




俺は震える手で葵の手を強く握った。







「・・・あの人は知らない男と裸で抱き合ってた。。」





初めて口にした言葉とともに俺の目からは涙が溢れ出した。




「・・それで



その場から離れたいのに足が動かなくって。。


その時のあの人の俺を見る冷たい目と男の薄ら笑い。




今でも時々夢にでてくるんだ。次の日二人の姿はもうそこには無くってもう一人で生きていこうって決めた。



でもあの海にいった日、俺の携帯にあの人から電話があった。




・・・電話口であの人は泣いてた。



放っとけばよかったのにうちに帰った俺はまたあの男と再会した。





あの薄ら笑いでアイツは俺を見て。。。。



気づいた時には俺はあの男が動かなくなるまで殴ってたんだ





俺。。。



葵を抱きしめるだけで身体が震えるんだ。


感情のない女を抱くことはできたのに。。
< 276 / 281 >

この作品をシェア

pagetop